森林の役割と課題
森林は、近年問題になっている気候変動の緩和や、水源涵養、土砂災害の防止、木材生産機能といった重要な役割を担っています。
また、林野庁の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略について」によると、我が国のCO2吸収量のうち8割以上が森林によるものであり、地球温暖化防止対策においても森林は重要な役割を担っています。
一方で、我が国の人工林は高齢化が進行しています。
人工林が高齢化するとCO2の吸収量が減少するため、我が国の森林によるCO2吸収量は長期的に減少傾向であり、森林の若返り化が必要です。
また、多発する地震や台風、無許可及び無届の森林伐採のよる裸地化が問題になっており、これらの課題解決のために造林推進が非常に重要であると考えられます。
造林推進に向けた課題
日本の森林の大半は急傾斜地にあり、造林作業は高コストで労働強度が高いことや担い手不足の深刻化が問題となっており、造林があまり進んでいないのが現状です。
国勢調査(総務省)によると森林の造林、整備等を担う林業従事者数は減少しており、昭和55年(1980年)64万6千人であったが、平成27年(2015年)には4万5千人になっています。
特に、素材生産を担う従事者はほぼ横ばいで推移しているにもかかわらず、伐採後の再造林を担う従事者は減少しているため、伐採後に造林ができていない、もしくは造林ができないので伐採ができない事例が発生しています。
また、林業の高齢化率(65歳以上の割合)は平成27年で25%であり、全産業平均の13%より高い水準となっています。
まとめ
森林は環境保全、災害対策等の重要な役割を担っていますが、我が国の人工林は高齢化が進んでおり、森林の若返り化が急務であります。
森林の若返り化には造林の推進が必要ですが、造林を担う従事者は、減少しており、造林ができていない事例も発生しています。
この問題の解決手段として、ドローンによる苗木運搬が注目されています。
ドローンによる苗木運搬についてはこちらで解説しています。
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